投稿者: koji

  • 老化の典型的特徴

    まえがき

    『老化も、老化に伴う病気も、老化の「典型的特徴」が組み合わさった結果である。その特徴とは次の通りだ。』

    リスト

    あとがき

    まえがきを含めて、デビッド・A・シンクレア、マシュー・D・ラプラント 『LIFESPAN(ライフスパン): 老いなき世界』(東洋経済新報社、2020年)より。リストは本文中の箇条書きを一部編集のうえ引用しています。

    老化の唯一の原因は存在しないことが科学者のコンセンサスとなりつつある、という文脈の中で紹介されていました。このリスト自体には引用元が示されていないので、著者のまとめのようです。

    現時点で解明されている老化のメカニズムと、老化を遅らせられる可能性についての本。老化を遅らせるために著者が個人的にやっていることもさらっと紹介されているものの、健康法の本ではありません。

    「食事のカロリーを減らせ」「小さいことにくよくよするな」「運動せよ」以外に、医学的なアドバイスをするつもりはない。

    • タイトルLIFESPAN(ライフスパン): 老いなき世界
    • 著者: デビッド・A・シンクレア(著)、マシュー・D・ラプラント(著)、梶山 あゆみ(翻訳)
    • 出版社: 東洋経済新報社
    • 出版日: 2020-09-16
    • 破壊的リーダーシップの3段階

      まえがき

      『カオはスティーブ・ジョブズのリーダーシップ構造を独自の視点で解釈し、「破壊的リーダーシップのテクノロジー」(もしくはリーダーシップを育むために必要なプロセス)を醸成する上で、次の3段階が重要であると述べている。』

      リスト

      あとがき

      まえがきを含めて、フィリップ・コトラー、古森 重隆『NEVER STOP イノベーティブに勝ち抜く経営』(日本経済新聞出版、2021年)より。

      まえがきの「カオ」とは Richard Kao 。リスト部分は彼の著書 “Disruptive Leadership: Apple and the Technology of Caring Deeply–Nine Keys to Organizational Excellence and Global Impact” からの引用です。

      噴火、構築、破壊。原著を見てみると、eruption, construction, disruption でした。

      まずはリーダーによる組織内での、ないし個人的な「噴火」が必要で、それが3つしかないステップの1つである。「噴火」という言葉のインパクトに惹かれて収集しました。

        • 投稿のタイトルをメール件名にすると起きる文字化けを防ぐ

          概要

          メールの件名に get_the_title() 関数の返り値をそのまま用いると、この関数内で行われている、文章を読みやすくするための処理が文字化けを起こすことがあります。これを回避する方法を3つ考えました。

          背景

          LOTD(日替わりリスト)をメールで配信する際には、 リスト投稿のタイトルをそのままメールの件名にしてメーリングリストに送信しています。メーリングリストはその件名の頭に [今日のリスト] という文字列を付けて配信します。

          ところが ‘-‘(半角マイナス)を含むリストが ‘–’ に変換されてしまっていました。

          内容

          get_the_title() 中のフィルターフック ‘the_title‘ にはいくつかデフォルトのフィルターがセットされています。その一つである wptexturize() が問題を起こしているとわかりました。

          wptexturize() は文章を読みやすくするための変換を施します。変換の結果は Web ページ(HTML文書)として表示されることを想定しており、いくつかの文字は HTML エンティティに変換されています。その代表的なものが ‘-‘ の ‘–’ への変換でした。

          ‘–’(または ‘–’ )はいわゆるダッシュ記号で、’-‘(半角マイナス)より少し長めにデザインされているフォントが多いようです。

          この文字化けを防ぐには、やり方が大きく3つあると考えました。

          一つめは get_the_title() を使わず 投稿オブジェクトの post_title メンバをそのまま使うこと。

          二つめは wptexturize() を無効化すること。無効化のニーズが高いせいか、そのためのフィルターフックも用意されています。次のようにすれば wptexturize() を通したくないときだけ無効化することが可能。

          add_filter( 'run_wptexturize', '__return_false' );
          $lotd_title = get_the_title( $lotd_post );
          remove_filter( 'run_wptexturize', '__return_false' );
          

          __return_false() は標準で用意されている関数で、文字通り return false; だけをしてくれます。

          三つめは、 wptexturize() が HTML エンティティに変換した結果を戻す(HTML デコードする)こと。先の例でいえば、せっかく半角マイナスをダッシュに変換してくれたので、それを HTML デコードすれば読みやすくなった状態で渡せます。そのためにはこんなふうにすればよいはず。

          $lotd_title = html_entity_decode( $lotd_title, ENT_COMPAT | ENT_HTML5, 'UTF-8' );
          図:メール一覧画面。上がダッシュ、下が半角マイナス

          実際にメーラー (GMail) での見え方を比較してみました。

          図の上の行は3つめ、つまり wptexturize() の変換結果を生かしたやり方で送ったメールで、ダッシュが表示されています。

          下は2つめ(と原理的には1つめ)、つまり変換なし。半角マイナスが表示されています。

          こうしてみると、ダッシュのほうが読みやすい。wptexturize() がおせっかい機能にしか思えなかったので2つめのやりかたでいこうと思っていたのですが、実験結果を見て3つめでいくことにしました。

          ※追記: 通常のメール送信はこれでOKでしたが、LOTD を配信させているメーリングリストが件名中のダッシュ(enダッシュ)を扱えず、「?」に変換してしまう問題があることがわかりました。エックスサーバーのメーリングリストは fml を使っているようですが、件名にセットする文字コードの指定などはなく、解決できていません。そこで現在は1つめの解決策を適用中。

        • 部下の権利章典

          まえがき

          『すべての部下は、直属の上司に以下を期待することを許されるべきである。』

          リスト

          あとがき

          まえがきを含めて、参考文献[1]より。記事の著者らによる『ハーバード流ボス養成講座』という本からの間接的な引用として紹介されていました。

          部下の視点から定義された上司の役割・責任。不思議と、自分が上司に期待する内容としては妥当に思えても、部下から期待される内容としてはハードルが高いように感じてしまいます。相手の視点から考えることの効果を実感できるリスト。

            参考文献

            [1] リンダ・A・ヒル, ケント・ラインバック. 「すべての部下が上司に求めるべき4つの能力」, DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー, 2013年12月2日.

          • 多様性のある都市街区や地区の条件(ジェイコブズ)

            まえがき

            『都市の街路や地区にすさまじい多様性を生み出すには、以下の四つの条件が欠かせません。(略)どれか一つでも掛けたら、地区の潜在的可能性は大きく下がります。』

            リスト

            あとがき

            まえがきを含めて、ジェイン・ジェイコブズ 『アメリカ大都市の死と生』(鹿島出版会、2010年)より。

            2009年に登録した「魅力的な都市の条件(ジェイコブスの四原則)」と源は同じです。このリストはネットメディアからの引用で、その著者による要約でした。こちらは先述の訳書からの引用。ちょっと気になる点があって引用元にあたってみたところ、順序や内容が結構違うので別のリストとして登録しています。

            文脈的には、多様性のある都市街区は魅力的だと書いているに等しいのですが、やはり多様性のある街の条件と言われたほうがすっきりするリストです。

            • タイトルアメリカ大都市の死と生
            • 著者: ジェイン ジェイコブズ(著)、Jacobs,Jane(原著)、浩生, 山形(翻訳)
            • 出版社: 鹿島出版会
            • 出版日: 2010-04-07

            この本からの他のリスト

          • SCARF – 社会的報酬/脅威の基準

            まえがき

            『SCARFモデルは、脳にとって重要な対人的な一次的報酬や一次的脅威を表している。』

            リスト

            あとがき

            まえがきを含めて、デイビッド・ロック 『最高の脳で働く方法 Your Brain at Work』(ディスカヴァー・トゥエンティワン、2019年)より。

            SCARFは著者が発見した『脳が生存に関わる問題と同等に扱う5つの社会的経験の領域』だと説明されています。ただ、タイトルに使うにはわかりづらいので別の名前をつけました。

            リストは本文からの引用です。ただし「……」以降は、「報酬/脅威」のイメージをこちらで考えて追加しました。

            生物は快→報酬→接近行動、不快→脅威→回避行動みたいなメカニズムで動いているわけですが、人間においては生物学的な報酬/脅威のみならず社会的な報酬/脅威のシステムも発達しています。このリストはその源になる要素を過不足なく特定していると思えたので収集。

            対人関係において何に気を付けるべきかのチェックリストになりそうです。

            • 呼吸器系パンデミックの脅威度を推し量る2つの指標

              まえがき

              COVID-19の脅威の大きさを、スペイン風邪・MERS・SARSなど過去の呼吸器系パンデミックと比較する基準になるのは何か。

              リスト

              あとがき

              ニコラス・クリスタキス 『疫病と人類知 新型コロナウイルスが私たちにもたらした深遠かつ永続的な影響』(講談社、2021年)より。R0 は 「アール・ノート」と読むそうです。

              2020年3月、著者はこの感染症の脅威の大きさを把握するために「古典的なアプローチ」として横軸にCFR、縦軸にR0を取り、20世紀の呼吸器系パンデミックをプロットします。

              このグラフに、当時入手できた中国での感染データにもとづいてたCOVID-19の推定値(CFRは5~6%、R0は4~5程度)を追加すると、スペイン風邪よりは小さいもののやはり深刻な脅威で、20世紀のアメリカでは最大の脅威だった1957年のパンデミックよりもさらに右上の(深刻度も伝播性も高い)位置になりました。

              その1957年のパンデミックのデータを今回に当てはめるとアメリカでの死者は約30万人。著者は『大規模な活動停止を実施しているにもかかわらず、アメリカがこの数字を上回ることは確実だろう』と推論します。

              2020年3月上旬といえば、トランプ大統領が「いずれ収まる。奇跡のように消えてなくなるだろう」と言っていた時期です。ちなみに「消毒液を体内に入れてみたら」発言は4月。

              2021年7月現在、アメリカの死者は60万人を超えています。振り返ってみると、著者の大まかな推定はかなり的確だったことがわかります。

              多様な推定方法を試みたでしょうから生き残りバイアスがかかっている可能性もあります。ただ、結果を左右するであろう重要な因子を絞り込み、信頼できるデータを未来に外挿しておおまかな将来像を描くという、未来予測の事例としても面白いと思い収集。

              • NAME – 強い感情に対処する4ステップ

                まえがき

                『強い感情を手なずけるにはそれに名前を付ける(NAME)のが有効だ。NAMEは次の頭文字だ。』

                リスト

                あとがき

                まえがきを含めて、ラス・ハリス『自信がなくても行動すれば自信はあとからついてくる ――マインドフルネスと心理療法ACTで人生が変わる』(筑摩書房、2021年)より。

                著者は「脱フュージョン」「拡張」「集中」を、(ACTに組み込まれた)マインドフルネスの三つの基本テクニックと呼んでいて、このNAMEは「拡張」の具体的なステップです。

                基本的なステップは RAIN と同じ。

                この本からの他のリスト

              • 自信のゲームで勝つためのルール

                まえがき

                『「自信」とはゲームだ。熟練を要する心理的ゲームだ。』

                リスト

                あとがき

                まえがきを含めて、ラス・ハリス『自信がなくても行動すれば自信はあとからついてくる ――マインドフルネスと心理療法ACTで人生が変わる』(筑摩書房、2021年)より。

                著者は一冊かけて、この10のルールを解説していきます。「はじめに」には本書を読みつつ発見してほしいと書かれているので過剰な解説は避けますが、2、4、5あたりは単独でも Quote として立つ、いい言葉だと感じました。

                3の「脱フュージョン」はACTの用語。ACTは(Acceptance & Commitment Therapy、アクセプタンス&コミットメント・セラピー)という心理療法の名称ですが、一般向けの本書では。T を Training に置き換えています。「はじめに」では簡潔に『思考に囚われたり行動を支配されたりせず、思考から離れ、それをあるがままにさせておくテクニック』と紹介されています。

                欧米では、十戒で馴染みがあるのでしょうか、10項目のリストが好まれます。

                この本からの他のリスト

              • PICO – 医療分野における文献検索のキーワード

                まえがき

                『これらをキーワードとして文献検索することによって関連する文献に関する情報を入手することができます。』

                リスト

                あとがき

                まえがきを含めて、中村 好一『疫学とはなにか データと理論思考で探る病気の原因と予防』(技術評論社、2021年)より。

                リストのうち Problem と Population は “PICO process” (Wikipedia) から引用しています。Populationは、ある特性を持った集団というような意味合いなので属性と訳しました。

                「……」部の後ろは例。本書ではIの部分にExposure(曝露)を当てて PECO と呼ばれるという記述もありました。

                誰(何)に対して」「何をしたか」。その結果「何と比べて」「どうなったか」。観点を揃えて、できるだけ具体的・客観的・定量的に事例や経験を収集し、同じ観点で検索をかける。分野を問わず、実践知を集積・活用していく際に役立つ発想だと感じます。

                「なぜそうなったか」(原因の推察)はすっぱり捨象されているあたりが臨床的というか実践的で印象に残りました。

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