投稿者: koji

  • やり抜く人の9つの習慣

    まえがき

    『「才能が成功に導いた」のではなく、彼らは「ある種の思考や行動によって、自らを成功に導いている」のです。』

    リスト

    あとがき

    まえがきを含めて、ハイディ・グラント・ハルバーソン 『やり抜く人の9つの習慣 コロンビア大学の成功の科学』(ディスカヴァー・トゥエンティワン、2017年)より。リストは目次より。カッコ内は本文中のキーワードです。

    ポジティブ心理学系の本に書かれていることが凝縮された感じ。必要最低限の文献に絞ったと思われる参考文献リストを含めてコンパクトな良書でした。

    • 人間の2種の攻撃性

      まえがき

      『私たちの社会的寛容は、「反応的攻撃性 (reactive aggression)」が比較的低いことに起因する。一方、命にかかわるような暴力は、「能動的攻撃性 (proactive aggression)」によってもたらされる。私たちの種が、低い「反応的攻撃性」と高い「能動的攻撃性」という異なる性質をどうして兼ね備えることになったのかについては、これまで語られることがなかった。』

      リスト

      あとがき

      まえがきを含めて、リチャード・ランガム 『善と悪のパラドックス ーヒトの進化と〈自己家畜化〉の歴史』(NTT出版、2020年)より。リストは本書の各所からの引用をまとめました。

      家畜化というと聞こえが悪いですが、家畜化 (domestication) が進んでいるとは社会的動物としての進化が進んでいる状態を示す言葉です。

      まえがきの『 私たちの種が、低い「反応的攻撃性」と高い「能動的攻撃性」という異なる性質をどうして兼ね備えることになったのか 』に対する答えとして、つまみ食い的に引用をつないだ本書の要約はこんな感じです:

      人間は自己家畜化を通して「反応的攻撃性」を抑える遺伝的選択が生じ、寛容な協調性が高まった。一方で、協調性の高まりに伴う道徳的感受性の高まりや言語能力の発達に伴う意図の共有が「能動的攻撃性」を高めてきた。

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    • 依頼メールの3手詰め

      まえがき

      『手紙でもメールでも、こちらが三手動かすことで、相手玉を詰まさなければならない。相手を口説き落とさなければならない。』

      リスト

      あとがき

      まえがきを含めて、近藤 康太郎 『三行で撃つ 〈善く、生きる〉ための文章塾』(CCCメディアハウス、2020年)より。論理的な説得のためのリストはいくつか収集していますが、どこか人間臭い枠組みがいいですね。

      初発の熱量がすべてなんです。(略)どうしてもあなたと仕事をしたい、話を聞きたいのだと、そういう熱を感じさせられるかがすべてです。

      • 高次な三つの思考力

        まえがき

        『三つの思考力は、生徒たちにとってとても貴重なスキルです。これらを組み合わせて使うとき、個々が潜在的にもっている力は何倍にも膨れあがります。』

        リスト

        あとがき

        まえがきを含めて、ダン・ロスステイン、ルース・サンタナ 『たった一つを変えるだけ: クラスも教師も自立する「質問づくり」』(新評論、2015年)より。リストは本文からの引用です。

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      • 「質問づくり」授業の手順

        まえがき

        『質問づくりは、過去二〇年間にわたって慎重に開発され、試され、簡素化され、改善されてきました。その手順は、以下の七つの段階に分けられます。』

        リスト

        あとがき

        まえがきを含めて、ダン・ロスステイン、ルース・サンタナ 『たった一つを変えるだけ: クラスも教師も自立する「質問づくり」』(新評論、2015年)より。リストは本文に加筆して作成しました。

        大変エキサイティングな本でした。社会人向けにもアレンジしてみたい。

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      • 故殺の判断基準

        まえがき

        『現在、アメリカの法律制度は、謀殺(通常は能動的攻撃)ではなく故殺(反応的攻撃)と判断すべき殺人について、四つの基準を適用している。ただし、これにはさまざまな解釈がある。』

        リスト

        あとがき

        まえがきを含めて、リチャード・ランガム 『善と悪のパラドックス ーヒトの進化と〈自己家畜化〉の歴史』(NTT出版、2020年)より。参考文献(1)のなかで引用されている(2)に書かれている、とのことなので、本書で既に孫引きということになります。

        著者が『ことばは明確だが、意味は主観的判断に委ねられる。』と解説している通り、境界の判断が難しい。

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        参考文献

        (1) Bushman, Brad J., and Craig A. Anderson. 2001. “Is it time to pull the plug on hostile versus instrumental aggression dichotomy?.” Psychological review 108: 273-79.

        (2) LaFave, Wayne R., and Austin W. Scott, Jr. 1986. Criminal Law. 2nd ed. St. Paul. Minn.: West.

      • 生命の定義(ナース)

        まえがき

        『この三つの原理が合わさって初めて生命は定義される。この三つすべてに従って機能する存在は、生きていると見なすことができる。』

        リスト

        あとがき

        まえがきを含めて、ポール・ナース 『WHAT IS LIFE?(ホワット・イズ・ライフ?)生命とは何か』(ダイヤモンド社、2021年)より。リストは本文を編集して作成しました。

        1 は「自然淘汰による進化が起きる条件」を参照のこと。ここから、氏の定義は「種」レベルでの話なのかなと思います(生殖能力を失った個体は生命ではないとは言わないでしょうから)。

        2によってコンピューターのプログラムや文化的な活動が除外されます。物理的な存在でないと生命ではない。

        3はすこしわかりづらいのですが、解説部分に『このような生きた機械は、情報を操ることによって、協調的に制御される。その結果、生き物は、目的を持った総体として機能するのだ。』とあります。生き物は「目的を持った総体として機能する」機械だと理解すると納得しやすい。

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      • 自然淘汰による進化が起きる条件

        まえがき

        『自然淘汰による進化が起きるためには、生命体が三つの決定的な特性を備えている必要がある。』

        リスト

        あとがき

        まえがきを含めて、ポール・ナース 『WHAT IS LIFE?(ホワット・イズ・ライフ?)生命とは何か』(ダイヤモンド社、2021年)より。リストは本文を少しだけ改変して作成しました。

        タイトルは正確には「自然淘汰による進化が起きるために生命体が備えているべき特性」であるべきですが、長くなりすぎるので端折りました。

        繁殖と遺伝システムは意味合い的にかなり重なっているように思えます。遺伝システムによらず繁殖する生命体がある、または/および遺伝システムはあるが繁殖しない生命体がある、のでなければイコールで結んでしまってよいのでは。

        調べてみると 遺伝システムによらず繁殖する原始的な生命体があるようですね。それを生命体と呼ぶかどうかは定義次第という感じの。

        この三か条、他の箇所では『複製、遺伝システム、遺伝システムが変異する能力』とありました。「繁殖」と「複製」では意味するところが違うように感じたので原文を調べてみると、 reproduction でした。繁殖よりは複製が直訳に近そうです。

        First, they must be able to reproduce. Second, they must have a hereditary system, whereby information defining the characteristics of the organism is copied and inherited during there reproduction. Third, the hereditary system must exhibit variability, and this variability must be inherited during the reproductive process.

        Paul Nurse, “What Is Life?: Five Great Ideas in Biology”

        変異がなければ(自然淘汰による)進化はないし、遺伝システムによって複製が繰り返されなければ、つまり個々の生物が死んでいかなければ、やはり進化はない。

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        • 宗教心の3B

          まえがき

          『宗教には、信念、実践、帰属という、相互補完的ながら独立した、三つの側面が存在すると考える研究者も多い。』

          リスト

          あとがき

          まえがきを含めて、ジョナサン・ハイト 『社会はなぜ左と右にわかれるのか――対立を超えるための道徳心理学』(紀伊國屋書店、2014年)より。リストの英語は、前書き部分の引用文献である参考文献(1)からの引用です。

          まえがきで「宗教」と訳されているのは religiosity という単語で、宗教とも信仰とも信心とも微妙に違うようなニュアンスなので、宗教心という言葉をあててみました。宗教心の3Bという言い回しがあるわけではなく、造語です。

          この文章の少し後に、宗教とは『個々のメンバーを一つの道徳共同体へと統合する、信念と実践を一体化させたシステム』であるというエミール・デュルケームの言葉が引用されています。この定義に3Bが実質的に含まれていますね。

            参考文献

            (1) Froese, Paul, and Christopher D. Bader. “God in America: Why theology is not simply the concern of philosophers.” Journal for the Scientific Study of Religion 46.4 (2007): 465-481.

          • ワイズリーダーの6つの実践

            まえがき

            『知識だけでは、「よい行動」は起こせない。知識を「よい行動」に結びつけるためには、フロネシス、すなわち実践知が必要になる。(略)われわれの考えでは、それらの実践こそがワイズリーダーの最大の特徴をなしている。』

            リスト

            あとがき

            まえがきを含めて、野中 郁次郎 他 『ワイズカンパニー: 知識創造から知識実践への新しいモデル』(東洋経済新報社、2020年)より。リストは本文の複数個所の記述をつなぎ合わせて作成しました。

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