まえがき
『特に科学におけるアナロジーを成立させる重要な性質として、言語学者の瀬戸賢一さんは、以下の3点をあげています。 』
リスト
- 関係性: たとえるものとたとえられるものの類似性が、その「関係」のみに関わり、「実質」には関わらない(例:電気における電池と電流は、水における池と水流の「関係」を借りてきている)
- 選択性: 関係性の選択において両者のすべての特質が関係づけられる必要はなく、類比の効果が最大限に発揮されるものが選択される(例:「男は狼」といっても、必ずしも毛むくじゃらとか牙があるといったことのたとえではない)
- 単一性: たとえる側を複数にしない(例:電気における電池を水における池にたとえるなら、電流は水の流れにたとえるべきで、光や空気など別のメタファーを持ち込まない)
あとがき
まえがきは、安藤 昭子 『才能をひらく編集工学 世界の見方を変える10の思考法』(ディスカヴァー・トゥエンティワン、2020年)より。
瀬戸 賢一 『メタファー思考』(講談社、1995年)からの引用とのこと。
本書だけではややわかりづらい箇所があったので、参考文献(1)の記述も借りて要約・引用しました。
- タイトル: 才能をひらく編集工学 世界の見方を変える10の思考法
- 著者: 安藤 昭子(著)
- 出版社: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 出版日: 2020-08-28
- タイトル: メタファー思考
- 著者: 瀬戸 賢一(著)
- 出版社: 講談社
- 出版日: 1995-04-17
参考文献
(1) 轟里香. “言語学における Figure/Ground 概念の考察: 科学的メタファーの観点から.” Osaka Literary Review 34 (1995): 134-146.