投稿者: koji

  • タブーの種類

    まえがき

    『ある種の考えは、口に出すのが憚られるばかりか、考えること自体が悪だとされる。それがタブー(略)と呼ばれる現象である。心理学者のフィリップ・テトロックは、(略)3つに分けて説明している。』

    リスト

    あとがき

    まえがきを含めて、スティーブン・ピンカー『人はどこまで合理的か 上』 (草思社、2022年)より。まえがきのテトロック氏の論文は、参考文献[1]。

    タブーの種類など考えたこともなかったのでよい頭の体操になりました。経営におけるタブーやわが社におけるタブーなど、目に見えないルールを具体的に考える際に役立ちそう。

      参考文献

      [1] Tetlock, Philip E. “Thinking the unthinkable: Sacred values and taboo cognitions.” Trends in cognitive sciences 7.7 (2003): 320-324.

    • パリチンスキー原理

      まえがき

      『パリチンスキーは気がついた。現実世界の問題は、そのほとんどが思った以上に複雑なものなのである。(略)これに対処するため、パリチンスキーが編み出した手法は、3つの「パリチンスキー原理」という形でまとめられるだろう。』

      リスト

      あとがき

      まえがきを含めて、ティム・ハーフォード『Adapt(アダプト)適応戦略 優秀な組織ではなく、適応する組織が生き残る』 (ディスカヴァー・トゥエンティワン、2022年)より。原著は2011年出版。2012年に一度訳出されていて、この2022年版は2回め。

      (1)変異 → (3)選択が自然界の進化のメカニズム。しかし個人や組織がそのまま模倣してランダムに試行錯誤するのは困難です。世の中の役に立つ何かを残せるかもしれませんが、自分は淘汰圧の犠牲になっておしまいかもしれないので。そこで(2)の「致命傷を負わないこと」という知恵が重要になってきます。

      ピョートル・パリチンスキーは、スターリンの第一次五か年計画のうち2つの最重要プロジェクトに助言する任務を与えられた人物。「うまくいかないだろう」というまっとうな指摘をして殺害されてしまいます。リストは彼のアドバイスの要約。

      引用したくなる魅力的な命名がされていたので、そのままタイトルとして引用させてもらいました。

      • 社交の価値(ジンメル)

        まえがき

        『人間の社交性を研究した、あの優れた学者ゲオルク・ジンメルは、三つの言葉を提示し、これらを総合するとその本質が伝わるかもしれないと述べている。』

        リスト

        あとがき

        まえがきを含めて、レイ・オルデンバーグ『サードプレイス―― コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所」』 (みすず書房、2013年)より。

        リストは本文からの引用です。英語部分は “Georg Simmel Sociability” などで検索して、これらが定訳のようなので引用しました。

        まえがきではやや自信なさげな表現ですが、参考文献[1]によれば、ジンメルはこの3つを他人に与えることは社交の定言命法であると『社会学の根本問題』で書いているとのこと。読んでみよう。

        この本からの他のリスト

          参考文献

          [1] 【基礎社会学第九回】ゲオルク・ジンメルの「純粋社会学」の例である「軸の転回」、「社交」について学ぶ。 | 創造法編集社

        • 「家らしさ」の性質

          まえがき

          『「家らしさ」の特徴を探っているうちに、わたしは心理学者デイヴィッド・シーモンの著書に出合った。』「家らしさ」、アットホーム(at-homeness) とは何か。

          リスト

          あとがき

          まえがきは、レイ・オルデンバーグ『サードプレイス―― コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所」』 (みすず書房、2013年)より。

          デイヴィッド・シーモン (David Seamon) の著書とは、”A Geography of the Lifeworld” (1971)でした。ただし、下にリンクしているのは2016年の版。

          本文ではシーモンの挙げた「家らしさ」の特徴がサードプレイスにも当てはまることを説明するためにこの5要素が使われていました。本来の「家らしさ」の説明があまりなかったので、関連情報を検索してみつけた参考文献[1]から意訳しました。

          アットホームな感覚、家にいるという感覚とは何か。こういう定義モノが好きなので喜んで収集。

          この本からの他のリスト

            参考文献

            [1] Mehta, Priya, and Andrew Cox. “At home in the academic library? A Study of Student Feelings of “Homeness”.” New Review of Academic Librarianship 27.1 (2021): 4-37.

          • ブラックボックスを閉じておくための3つの戦略

            まえがき

            『本書において私たちは、ブラックボックスを閉じておくための主要な三つの戦略について探求する。(略)これら三つによって生まれるのが「不透明さ」である。』

            リスト

            あとがき

            まえがきを含めて、『フランク・パスカーレ『ブラックボックス化する社会: 金融と情報を支配する隠されたアルゴリズム』 (青土社、2022年)』より。リストは本文から編集しつつ引用しました。

            法的な秘密をブラックボックス化の「戦略」と呼ぶのは違和感があります。意訳すると、ブラックボックス化戦略とは

            1. コンテンツ及びアクセス手段を秘密にする
            2. 法律を盾に取って開示を拒む
            3. 開示せざるを得ないときは読み解けないようにする

            という感じでしょうか。

            • ポジティブフィードバックの土台にある4種類の承認

              まえがき

              『ポジティブフィードバックの土台にあるのは、「承認」です。特に、以下の4つの「承認」が基軸となります。』

              リスト

              あとがき

              まえがきを含めて、『ヴィランティ牧野祝子『国際エグゼクティブコーチが教える 人、組織が劇的に変わる ポジティブフィードバック』 (あさ出版、2022年)』より。まえがきは本文から、リストは目次からの編集・引用です。

              順序も論理的、内容も納得しやすく、数も覚えておける程度に絞られていて、わかりやすいリスト。

              • スキルとしての智慧

                まえがき

                『学問の世界で言う「智慧」は、IQや知識の量などを意味しません。その定義はまだ明確でない部分もありますが、複数の専門家の意見をまとめると、次のようなスキルの集合体だと考えられます。』

                リスト

                あとがき

                まえがきを含めて、鈴木 祐『無(最高の状態)』 (クロスメディア・パブリッシング、2021年)より。リストは本文からの引用です。

                要するに、智慧を持つ者は、人生の経験を実践的な知識に変えるのがうまく、トラブルにもあわてずに対処し、他人の心理を読むのも得意な人だと言えます。英語で言うストリート・スマートに近い状態で、確かに智慧と呼ぶにふさわしい能力ばかりでしょう。

                智慧というと仏教用語のニュアンス(智慧 – Wikipedia)がありますが、このリストが説明しているのは、一般的な意味合いでの知恵です。

                まえがき部分に付けられていた引用元は、参考文献[1]。

                • タイトル無(最高の状態)
                • 著者: 鈴木 祐(著)
                • 出版社: クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
                • 出版日: 2021-07-16

                  参考文献

                  [1] Meeks, Thomas W., and Dilip V. Jeste. “Neurobiology of wisdom: A literature overview.” Archives of general psychiatry 66.4 (2009): 355-365.

                • 典座三心

                  まえがき

                  『典座(食事係)は料理の際、(略)3つの心が大切だと説きました。禅寺の配役の中でも特に典座は重要な役目なのです。』

                  リスト

                  あとがき

                  まえがきを含めて、枡野 俊明(監修)『マンガで実用 使える禅』 (朝日新聞出版、2019年)より。リストは本文から引用しつつ作成しました。

                  典座は「てんぞ」と読みます。

                  精進料理の基本的な考え方は、道元禅師が中国で、ある老僧より食の修行について聞き、感銘を受けて著した『典座教訓てんぞきょうくん赴粥飯法ふしゅくはんぽう』に由来します。

                  禅寺における食事の作法として「五観の偈」も載っていました。

                  この本からの他のリスト

                • 達磨の四聖句

                  まえがき

                  『禅は修行によって自らが体得することを目指しています。そんな禅の思想を簡潔に表現したのが、達磨が亡きあと、宋の時代にまとめられた(略)「達磨の四聖句」です。(略)この4つは悟りに至るまでの教えとして、つなげて解釈します。』

                  リスト

                  あとがき

                  まえがきを含めて、枡野 俊明(監修)『マンガで実用 使える禅』 (朝日新聞出版、2019年)より。リストは本文から引用しつつ作成しました。

                  個々の単語は見かけますが、この4つがセットとなりプロセスを形成することを知りませんでした。

                  この本からの他のリスト

                • 影響力がある人、影響を受けやすい人 (facebook)

                  まえがき

                  『博士らは、7000以上もの製品の「うわさ」を意図的に流し、(略)44日間にわたり130万人をモニターしました。(略)見えてきた傾向を以下に列挙しましょう。』

                  リスト

                  あとがき

                  まえがきを含めて、池谷 裕二『寝る脳は風邪をひかない』 (扶桑社、2022年)より。まえがきの数字の半角・全角は本書のママ引用。リストは本文からの編集・引用です。

                  フェイスブック上で行われたこの実験、引用元として参考文献[1]が挙げられていました。Scienceに載ったんですね。論文で著者らが推論として挙げていたのは次の4つでした。

                  1. 影響力の強い人は影響を受けにくい傾向があり、影響を受けやすい人は影響を受けない傾向がある。影響力が強くかつ影響を受けやすい人はほとんどいない。
                  2. 影響力のある個人もない個人も、仲間内の影響されやすさの分布はほぼ同じである。したがって、影響力があることは、単に影響されやすい仲間を持っていることから生じる結果ではない。
                  3. 影響力のスコアが高い人は、感受性が高い人よりも多い。
                  4. 影響力のある人はネットワークを形成する。影響力のある仲間とつながっている影響力のある個人は、標準的なユーザーの約2倍の影響力を持っている。

                    参考文献

                    [1] Aral, Sinan, and Dylan Walker. “Identifying influential and susceptible members of social networks.” Science 337.6092 (2012): 337-341.