投稿者: koji

  • 人物をみる八観法

    まえがき

    『寸言こそ人を感奮興起させる――と安岡正篤先生はよく言われました。』

    リスト

    • 通ずれば其の礼する所を観る(すらすらうまく行き出した時に、どういうものを尊重するかを観る)
    • 貴(たか)ければ其の進むる所を観る(地位が上がるにつれ、其の登用する人間を見て人物が分かる)
    • 富めば其の養う所を観る(金ができると何を養い出すか)
    • 聴けば其の行う所を観る(善いことを聞いたら、それを実行するかどうかを観る)
    • 習えば其の言う所を観る(習熟すればその人間の言うところを観る)
    • 止(いた)れば其の好む所を観る(この「止」は板につくという意味。一人前に仕事ができるようになると、何を好むか)
    • 窮すれば其の受けざる所を観る(貧乏したときに何を受けないかを観る)
    • 賤なれば其の為さざる所を観る(人間落ちぶれると何をするかわからない。だから為さない所を観る)

    あとがき

    まえがきを含めて、安岡 正篤『安岡正篤一日一言』 (致知出版社、2006年)より。まえがきは本書「あとがき」からの引用です。リストの内容とは関係ありませんが、当サイトも寸言こそ……の精神を汲んで運営しているので、引いておきたくなりました。

    • タイトル安岡正篤一日一言
    • 著者: 安岡 正篤(著)
    • 出版社: 致知出版社
    • 出版日: 2006-06-02
    • 脳の中の4つのキャラクター

      まえがき

      『最終目標は、「四つのキャラ」がお互いに理解し合って、健全な関係を築くこと。そうすれば、「四つのキャラ」は、あなたの天賦の才で装備した健全なチームとして、集団で機能するようになります。』

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      あとがき

      まえがきを含めて、ジル・ボルト・テイラー『WHOLE BRAIN(ホール・ブレイン) 心が軽くなる「脳」の動かし方』 (NHK出版、2022年)より。

      前著『奇跡の脳』で、脳出血によって左脳の機能が停止すると世界がどう見えるかを、回復後の著者が描写していました。それがヴィパッサナー瞑想者の描く風景とそっくり同じで、驚いたことを思い出しました。

      純粋に生物学的な観点から見ると、人間は、感じることもできる「考える生き物」というよりは、考えることもできる「感じる生き物」なのです。

      この本からの他のリスト

      • 自分を癒やすライティングのガイドライン

        まえがき

        『以下に示す原則に従えば、こころのライティングから最大の恩恵を受けることができます。』

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        あとがき

        まえがきを含めて、ジェームズ・W. ペネベーカー『こころのライティング―書いていやす回復ワークブック』 (二瓶社、2007年)より。

        「筋の通った話を組み立てる」のが重要原則という点が、すこし面白く感じました。何でもいいから書きつければOKというわけでもない。

        • 愛の3成分

          まえがき

          恋愛は感情ではなく、特定のパートナーと親密な関係を築くための動機づけシステムとして定義される。

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          あとがき

          まえがきを含めて、参考文献[1] より。もともとは[2]で見かけました。

          すべては種の存続のために、みたいで味気ない感じもしますが、簡潔で網羅的な枠組み。

          参考文献

          [1] Seshadri, Krishna G. “The neuroendocrinology of love.” Indian journal of endocrinology and metabolism 20.4 (2016): 558.

          [2] 『「一目ぼれ」は欲望が生み出した幻想なのか?』 (GIGAZINE, 2023/3/12)

        • 孤独の3つの次元

          まえがき

          孤独とは、個人の望む社会関係と実際の社会関係とのずれによって生じるネガティブな感情であり、3つの次元に分けられる。

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          あとがき

          まえがきを含めて、参考文献[1] [2]より。まえがきもリストも文献からの要約・私訳です。

          パートナー、友人、コミュニティ。直感的によくわかります。

          参考文献

          [1] Cacioppo, Stephanie, et al. “Loneliness: Clinical import and interventions.” Perspectives on Psychological Science 10.2 (2015): 238-249.

          [2] “The 3 Types of Loneliness and How to Combat Them” (Psychology Today, 2019/7/12)

        • フィードバック準備の「6つのRight」

          まえがき

          『ギャップフィードバックを実施する前に満たすべき条件について説明します。(略)フィードバックを成功させるために、これら6つの条件が十分に満たされるよう普段から意識しておくとよいでしょう。』

          リスト

          あとがき

          まえがきを含めて、三村真宗『みんなのフィードバック大全』 (光文社、2023年)より。リストは図表からの引用です。

          まえがきにギャップフィードバックとありますが、本書ではフィードバックをポジティブフィードバックとギャップフィードバックに分けています。ざっくりいえば、前者がほめる系、後者が課題の指摘系。

          リストフリーク的観点からすると、「6つのRight」では想起の手がかりがありません。何が Right であるべきかが重要なので、例えば……「フィードバックのTOMARE」はどうでしょう。いったん立ち止まって TOMARE を満たしているかチェックする、ということで。やや苦しいかな。

          • システム化メカニズムの4段階

            まえがき

            『ヒトは脳に特殊なエンジンを持つ。これは、システムの最小定義である、if-and-then パターンを探索するものだ。私は、脳に存在するこのエンジンを「システム化メカニズム」と呼ぶ。』

            リスト

            あとがき

            サイモン・バロン=コーエン『ザ・パターン・シーカー:自閉症がいかに人類の発明を促したか』 (化学同人、2022年)より。

            われわれ人類にこういったエンジンが備わっている感じはしますね。このループがブレイクスルーにつながるか堂々めぐりに陥るかは、ループを回しつつめざす方向性の有無にあるように思います。

            • 5回の大量絶滅

              まえがき

              『レポートの執筆者たちは「種の絶滅率は人類史上前代未聞である」と書いている。そして「われわれは生物多様性の消滅の第6期に入っている」と言明する。』

              リスト

              あとがき

              まえがきは、マリー=モニク・ロバン『なぜ新型ウィルスが、次々と世界を襲うのか?: パンデミックの生態学』 (作品社、2022年)より。

              ウィキペディア日本語版にも「大量絶滅」という記事がありました[1]。パンデミックだけでなく気候変動も6回目の大量絶滅を招きかねない因子として注目されているようです[2]

                参考文献

                [1] 「大量絶滅」ウィキペディア日本語版

                [2] 「気温変化大きいほど絶滅は大規模に “六大絶滅”には至らぬと予測、東北大 」サイエンスポータル 2022.08.08

              • 一歩踏み込んだ問いをつくる4つの方法

                まえがき

                『一歩踏み込んだ「問い」をつくるときにはさまざまな踏み込み方があります。』

                リスト

                あとがき

                まえがきを含めて、中原 淳『「対話と決断」で成果を生む 話し合いの作法』 (PHP研究所、2022年)より。リストは本文を編集・引用して作成しました。

                具体化(定量・定性)、仮定、ジレンマ。このくらい絞り込まれていれば対話の最中でも思い出して使えそうです。とはいえせっかくなので他に思いついた方法をメモしておきます。

                • 原則を問う: 意見を成立させている話者の(隠れた)前提を問う(→自分の考えの原則・癖・ポリシー・思い込みに思いを致すきっかけに)
                • 結論に踏み込む: 意見から結論を演繹して問いかける(→立場を明らかにするよう促すことで、自分の考えをチェックするきっかけに)
                • 境界・例外を問う: 意見が成立しない状況を示して思考をクリアにさせる(→自分の意見が成立する前提や境界をチェックするきっかけに)

                この本からの他のリスト

              • 「残念な話し合い」5つの病

                まえがき

                『我々が「話し合い」をイメージする際、(略)次の5つの「話し合いに関する病」が、日本全国で発生しているように感じます。』

                リスト

                あとがき

                まえがきを含めて、中原 淳『「対話と決断」で成果を生む 話し合いの作法』 (PHP研究所、2022年)より。リストは本文を引用(一部編集)して作成しました。

                第2項目と第3項目は対話が自己目的化しているという点で同根のように思えます。しかし、1と2が対話というプロセスそのものの病、3以降が対話の帰結である決断の不全に関わる病と分類すると、分かれていたほうがいいのかな。

                いずれにせよプロセス不全と結果不全が高じると、究極の病である「対話ゼロで、ただちに多数決病」が発病すると述べられています。

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