投稿者: koji

  • RASA – 話の聞き方

    まえがき

    『人の話を「聞く」ことを「受け取る」と表現するのを、私はジュリアン・トレジャーによるTEDトーク「聞き上手になる5つの方法」で初めて知りました。人の話の聞き方として彼が提唱するのが、(略)「RASA」です。』

    リスト

    あとがき

    まえがきを含めて、マーシャ・レイノルズ『変革的コーチング 5つの基本手法と3つの脳内習慣』 (ディスカヴァー・トゥエンティワン、2023年)より。リストの「……」より後に、引用元であるTEDトーク[1]からの引用を含めた意訳を添えました。

    要約してから質問するというのは、少しまどろっこしく感じることもあります。ただ、そもそも話者の言いたいことを理解していないこともあるので、たしかにきちんと話を聞いて会話を進めるうえで有益なステップだと思います

      参考文献

      [1] “5 ways to listen better” by Julian Treasure (TED talk)

      “5 ways to listen better” by Julian Treasure
    • 「賢いリスクテイク」の6ステップ

      まえがき

      『(略)仕事にはリスクがつきものだ。リスクを避けるのではなく、あらゆる業務や新規プロジェクトの検討から実行プロセスを通じて、リスクをうまく乗りこなし、成功に持ち込むことが鍵である。』

      リスト

      あとがき

      まえがきを含めて、ローレン・B・ベルカー、ジム・マコーミック、ゲイリー・S・トプチック『マネジャーの全仕事 いつの時代も変わらない「人の上に立つ人」の常識』 (ディスカヴァー・トゥエンティワン、2023年)より。

      リストの見出しは本文からの引用です。見出しの後の解説は本文の要約です。要約ゆえにすこし不正確なところもありますが、私用なのでよいとしましょう。

      6. の最後の段落を引用します。

      さあ、決定のときが来た。前進か退却かを選択するのだ。撤退が最善の選択となる場合もある。どんな決定をしようとも、必要な情報を集めてきちんと検討したのだから、確信を持って結論を出せるはずだ。これこそがマネジャーの仕事である。

      そうはいっても、いざ決定となると迷うものですが、その迷いを減らすヒントが「成功確度UP要因の候補」にあると読みました。著者によれば、3. が「最重要かつ効果の大きいステップ」です。状況を動的なものと捉え、決定の直前まで「成功確度UP要因の候補」を特定して実行しつづける。それが「きちんと検討した」と思える根拠になるのだと思います。

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    • マネジャーの主な仕事

      まえがき

      『マネジャーの主な仕事は、業種や組織形態を問わず一定である。プロの経営者なら、この考えに同意してくれるはずだ。(略)これらの業務に慣れてうまくやれるようになれば、マネジャーの仕事は楽になる。』

      リスト

      あとがき

      まえがきを含めて、ローレン・B・ベルカー、ジム・マコーミック、ゲイリー・S・トプチック『マネジャーの全仕事 いつの時代も変わらない「人の上に立つ人」の常識』 (ディスカヴァー・トゥエンティワン、2023年)より。

      management というか administration というか、マネジャーの「お仕事」の部分を端的に切り出した感じのリスト。(存在しませんが)リーダー版とセットで組織の長の仕事の全貌が掴めそうです。

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    • 人間精神の本質的能力

      まえがき

      『二人の大学長ドナルド・カウリングとカーター・デヴィッドソンは、その共著「自由のための大学』において、「人間精神の本質的能力」について明らかにした。』

      リスト

      あとがき

      まえがきを含めて、アレックス・F. オスボーン『創造力を生かす―アイディアを得る38の方法』 (創元社、2008年)より。第38章「教育界への要望」からの引用です。

      『自由のための大学』とは1947年に出版された “Colleges for freedom”[1]

      注意、観察、記憶、推論、判断、連想、創造。「思考の六段階モデル(ブルーム)」を想起させますが、年代を考えるとこちらがブルームのモデルなのかもしれません。

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      参考文献

      [1] Cowling, Donald J., and Carter Davidson. “Colleges for freedom: a study of purposes, practices and needs.” (Harper & Brothers) (1947).

    • ストア派思想の特徴(ピエール・アド)

      まえがき

      『近代において実践哲学としてのストア派思想を最も鋭く分析したのが、哲学史家のピエール・アドである。アドはストア派のさまざまな思想をまとめ、最終的に次の4つの点にたどり着いた。』

      リスト

      あとがき

      まえがきを含めて、スヴェン・ブリンクマン『地に足をつけて生きろ! 加速文化の重圧に対抗する7つの方法』 (Evolving、2022年)より。リストは「付録|ストア派思想」からの引用です。

      このリストは、まえがきに引いたようにピエール・アドの著作からの引用です。[1]

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      参考文献

      [1] Pierre Hadot, Philosophy as a Way of Life (Blackwell, 1995), p. 34.

      • 地に足をつけて生きるための7つのステップ

        まえがき

        『目的は、成長・適応・セラピー・ライフスタイルの達人への依存状態から読者が脱出することだ。(略)加速文化の外に出て、半分入っていると言われたグラスが実は半分空だったと気づくのも悪くない。』

        リスト

        あとがき

        まえがきを含めて、スヴェン・ブリンクマン『地に足をつけて生きろ! 加速文化の重圧に対抗する7つの方法』 (Evolving、2022年)より。リストは本文及び章題からの引用です。

        原題は “Stand Firm: Resisting the Self-Improvement Craze”。自己啓発あるいは自己改善狂騒曲に抗して、という感じでしょうか。多くはストア派の主張をなぞっています。

        6. では著者のお気に入りの作家も紹介されています。現代作家でいえば、村上春樹ミシェル・ウエルベック(フランス)、カール・オーヴェ・クナウスゴール(ノルウェー)。

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      • 実用分類の三大類型

        まえがき

        『人間が頭脳によってやる分類は、大別すると類型分類、規格分類、系譜分類に大別できる。』

        リスト

        あとがき

        まえがきをふくめて、中尾 佐助『分類の発想: 思考のルールをつくる』 (朝日新聞出版、1990年)より。リストの類型名称は章題から、解説部分は本文からの意訳です。

        クライテリオンとは要するに分類基準のことで、著者は何らかのクライテリオンによって分けられた分類項目をタクソンと呼んでいます。また本書では三大類型のほかに動的分類としてこれらに収まらない分類も収集しています。

        なかなかの奇書……といっては失礼ですが、充実しているべきなのに薄い学問領域を開拓せんとする意欲を感じる、面白い視点からの本でした。

        • 考える技術(野矢 茂樹)

          まえがき

          『最後に、いままで言ってきたことを振りかえりながら、じょうずに考えるためのヒントになるようなことを拾ってみようか。』

          リスト

          あとがき

          まえがきを含めて、野矢 茂樹『はじめて考えるときのように 「わかる」ための哲学的道案内』 (PHP研究所、2004年)より。リストは本文終盤の文章からの抜き書きです。気に入った文章をまるごと引用しようと思ったので、やや長くなりました。

          『考えるってことは、問題を抱えて、その問題のまなざしでものごとを見ることだ』。問題のまなざしでものごとを見る。

          • 適応における3つの時間軸

            まえがき

            『こう考えると、私たちの行動には、「3つの時間軸における合理性」が互いに絡みあうかたちで影響を与えることがわかる。(略)甘いものへの好みを考えてみよう。』

            リスト

            あとがき

            まえがきを含めて、亀田 達也『連帯のための実験社会科学 共感・分配・秩序』 (岩波書店、2022年)より。リストは本文を意訳しつつまとめて作成しました。リスト化した文章のあとにまえがきが続きます。つまりまえがきの「こう考えると」はリストの内容を指しています。

            糖の摂取は進化的適応としては合理的だが、歴史・文化的適応としては不合理になり得る。著者は『3つの時間に由来する異なるベクトルが競合するゆえに、同じ対象(糖など)に接近したい一方で回避したいとも思う「揺れ動く心」が生じるのかもしれない』と述べています。

            副題の「共感・分配・秩序」という3つ組に引かれて手に取りました。それぞれに一章が割かれているものの、残念ながらこれらが何かの枠組みであるという内容ではありませんでした。

            • 一人称的体験科学の4条件

              まえがき

              『一人称的体験科学という方法によって、三人称的な自然科学的研究や、インタビューなどによる二人称的研究では手の届かなかった、体験世界への直接的な探求が可能になる。』

              リスト

              あとがき

              まえがきを含めて、石川 勇一『修行の心理学: 修験道、アマゾン・ネオ・シャーマニズム、そしてダンマへ』 (コスモス・ライブラリー、2016年)より。リストは本文の見出しからの引用です。

              修行の心理学というタイトルに興味をそそられて本書を手に取りました。通常、修行はある目的のための手段と位置付けられると思うのですが、修行そのものに興味を持つ方がいらっしゃるのですね。

              本リストは『ネオ・シャーマニズムの研究者自身の体験を分析するために、一人称的体験科学を可能な限り厳密にするにするために貢献する条件とはなんであろうか。』という問いに答えるかたちで掲げられています。よってタイトルにもネオ・シャーマニズムという言葉を添えて文脈を限定したほうがよいのですが、長くなってしまうのであきらめました。

              三人称的、二人称的、一人称的な研究という切り口が面白かったので収集。なるほど、直接体験によってしかわからないことがらについては、相応のアプローチが必要になると理解しました。一人称的体験科学という言葉は著者の造語のようですが「一人称科学」「一人称研究」といった言葉で検索すると、関連する書籍や論文がヒットします。

              第4項目について補足。初期仏教の視点を取り入れるのは『宗教を超えた普遍性のある法則(ダンマ)が説かれているから』とのことでした。