まえがき
いろいろな角度から考えて、自分なりの真偽を見極めたいときに役立つリストを集めました。逐次更新していきます。
リスト
あとがき
正しい「考え方」という観点でなく、(自分にとって)正しい・正しくないを考えるための基準・条件といった意味合いのリストを集めました。
美しい箇条書き
いろいろな角度から考えて、自分なりの真偽を見極めたいときに役立つリストを集めました。逐次更新していきます。
正しい「考え方」という観点でなく、(自分にとって)正しい・正しくないを考えるための基準・条件といった意味合いのリストを集めました。
『ロバート・マートンは、「科学のエートス」を特徴づけていると彼が考える四つの「価値」を提案したことで知られる。』
まえがきを含めて『なぜ科学を語ってすれ違うのか――ソーカル事件を超えて』より。
まえがきに引用した文章には次のような脚注があります:『マートンによれば、「科学のエートスとは、科学者を拘束すると考えられる価値と規範の複合体であって、感情に彩られたもの」である。』
このリストの引用元として、参考文献にはマートンの『社会理論と社会構造』が挙げられていました。Wikipedia(英語版)のRobert K. Mertonの項にもこの4つの価値が載っていて、もうすこし厳密に思える定義がなされています。ただ、こちらのほうが分かりやすい。
自分や他人の考えを検証してみるときに、使えるリストではないでしょうか。
(追記)CUDSないしCUDOSと略される。「科学社会学」(Wikipedia)を参照。
『すべての宗教や哲学的な伝統の中に共通した六つの美徳があることを発見したとき、人びとは驚いた。』
まえがきを含めて『世界でひとつだけの幸せ―ポジティブ心理学が教えてくれる満ち足りた人生』より。ただし、()内の文字は『ポジティブ心理学―21世紀の心理学の可能性』から補完しています。
これは”Values in Action Inventory of Strengths (VIA-IS)” – Wikipedia という指標を作成するプロジェクトの成果。先述したWikipediaでオリジナルの英語を確認することができます。また
このプロジェクトをリードしたのは、ポジティブ心理学の提唱者マーティン・セリグマン教授。『世界でひとつだけの幸せ』は教授の著書。精神疾患の診断基準としてDSM(精神障害の診断と統計の手引き – Wikipedia)という体系があるように、「善良な性格」の基準をつくろうというのがVIAの試み。
あらゆる観点で偏りが生じないように美徳を抽出しようとした過程が、こんな風に書かれていました。
キャサリン・グルスガードの指導で、アリストテレス、プラトン、アキナス、聖アウグスチヌス、旧約聖書、タルムード、孔子、仏陀、老子、武士道、コーラン、ベンジャミン・フランクリン、ウパニシャッドなど、二〇〇冊に及ぶ哲学書や教典を読んだ。驚いたことに、三〇〇〇年もの時空を経ていながら、すべては次の六つの美徳に集約された。
しかし、VIAの推進母体である”VIA Institute on Character“のサイトにある”VIA Classification of character strengths“というページを見ると、6つの美徳は変わっていないものの、その下に入る強みの定義・分類は上記のリストから変わっているようですね……。本格的な検証・洗練のプロセスはこれからだということなのだと思います。
なお”VIA Institute on Character“のサイトでは、無料でオンライン診断が受けられますよ。
『クーンは後年、「客観性、価値判断、理論選択」という論考のなかで、新しいパラダイムを選びとるときに用いられる五つの判断基準を示した。』
まえがきを含めて『なぜ科学を語ってすれ違うのか――ソーカル事件を超えて』より。
「多産性」がやや分かりづらいですね。原典の論考は『科学革命における本質的緊張―トーマス・クーン論文集』に載っているそうですので、目を通してみよう。
『大切なことは、できるだけ自分に優しくし、そして遠慮をせずに周りからのサポートを受けることです。決してひとりですべてを背負おうとせず、安心できる人と思いや気持ちを共にして下さい。』
まえがきを含めて、国際 EAP 研究センター災害時こころのケアチーム 『災害時のこころのケア――被災者・支援者の方へ』(英治出版)より。これは16ページの冊子で、公式サイトからPDFファイルとして無償でダウンロードできます。紙の本としても10万部を無償配布するとのこと。すばらしい取り組みなので応援投稿。
第4項目の「(自分を)」だけ追加しています。冊子には、項目ごとに短い解説が添えられています。
Google社員が開発した、感情知能を高める社内トレーニング “Search Inside Yourself”(SIY) の3ステップとは。
Chade-Meng Tan “Everyday compassion at Google” | Video on TED.com より。11分6秒あたりからの話を要約・翻訳してリストの形にしました。
マインドフルネスを日々の仕事に取り入れる、先進的な取り組みではないでしょうか。もう少し追いかけてみよう。
(2012/08/30 追記)
彼の本が訳出されました!
Compassion(思いやり/慈悲の心)を育てることは、リーダーシップの涵養につながる。
Chade-Meng Tan “Everyday compassion at Google” | Video on TED.com より。compassion, meditation, leadership, emotion(nal) intelligence と、僕が興味を持って追いかけている単語がギュッと詰まった、とても興味深い talk でした。
言ってみれば、知情意の枠組みです。compassionをこんな切り口で要素分解した定義を初めて聞きましたので、早速収集。
『ビジョナリー・カンパニー 2 – 飛躍の法則』において「第5水準のリーダーシップ」が要求する「個人としての謙虚さと職業人としての意思の強さ」は、compassionを育てることで得られると語っています。リストの最初の2項目が謙虚さ、そして第3項目が意思の強さに相当するという解釈でした。
(メモ)
なかなか訳しづらかった。まず講演タイトルにも含まれている”compassion”。これは講演の文脈から考えて、ダライ・ラマの著作でもよく使われる「思いやり」を採用。リスト項目も語調を揃えて訳すのが意外に面倒だった。”I feel for you.”は「同情します」「お察しします」と訳すのが一般的なようだが、ここでは共感的に理解するという意味合いと判断した。原文も引用しておこう。
There are three components of compassion. There is the affective component, which is, “I feel for you.” There is the cognitive component, which is, “I understand you.” And there is a motivational component, which is, “I want to help you.”
『これらの質問に答えることによって、天職とは何かというマクロな視点で人生をとらえることができると同時に、日々の生活でどうしたいかというミクロな視点でも人生の道のりを考えることができます。』
まえがきを含めて『ハーバードの人生を変える授業』より。3つの質問に答え、それぞれの答えに共通するものを考えます。
リストを読んだときにはフーンという印象でしたが、その後、まえがきに引用した「マクロとミクロ」という部分を読んで納得感が深まりました。意義=マクロ、楽しみ=ミクロということですね。
『心をかき乱すような不安な感情に対処するのに役立つ方法のひとつとして、PRP法があります。』
まえがきを含めて『ハーバードの人生を変える授業』より。認知療法のアプローチを覚えやすくまとめたリスト。本文の言葉を使い、リストに仕立てました(ので、ママ引用ではありません)。
“〜に役立つ方法のひとつとして、PRP法があります”と、よく知られたメソッドのように書かれていますが、原典や論文などは確認できず。著者の創作かな。
あるがままに認める → よい面を考える → 一歩引いて眺める。
この2つの処世訓さえあれば。
『怒りのセルフコントロール』より。この本には怒りをコントロールする技法が17も載っています。筆頭は「自己説得法」。このリストは、その前書きの部分に「二つの処世訓」として掲げられていたものです。
『敵対的人間の多くが抱える問題は、他人や状況に関して、当たっていない考えをかたくなに守るところにあります。』とのこと。妄想をふくらませてしまうということですね。