投稿者: koji

  • 協調と競争のバランスに影響を与える3要因

    まえがき

    『人間であれ動物であれ、これら三つの要因の相互作用が協調と競争のバランスをダイナミックに変化させる』

    リスト

    あとがき

    まえがきを含めて、アダム・ガリンスキー、モーリス・シュヴァイツァー『競争と協調のレッスン ─コロンビア×ウォートン流 組織を生き抜く行動心理学』 (TAC出版、2018年)より。本文にやや加筆修正を加えてリスト化しています。

    因子分析を経て抽出したわけではないようですが、著者はいくつかの例を挙げてこれら3つが協調と競争のバランスに影響を与える要因であると論じています。オリジナリティの高いリストのように思えます。

    • 4つの元型(ユング)

      まえがき

      『元型は、カール・グスタフ・ユングが提唱した概念。世界中の神話や夢や芸術などに普遍的に見られるパターンのこと。元型は、個人的な無意識ではなく、人類に共通する「集合的無意識」から発生するとされる。』

      リスト

      あとがき

      まえがきを含めて、ジル・ボルト・テイラー『WHOLE BRAIN(ホール・ブレイン) 心が軽くなる「脳」の動かし方』 (NHK出版、2022年)より。

      著者は本書で脳の主要な4つの機能を「4つのキャラクター」と命名しています。そして『注目すべきなのは、「四つのキャラ」がカール・ユングの無意識のおもな四つの元型と明らかに符合している点です』と述べています。まえがきおよびリストは、そこに添えられていた訳注を引用・一部編集して作成しました。よってテイラー氏というよりは訳者の竹内 薫氏の文章の引用です。

      ユングは元型(アーキタイプ)をカテゴライズしたわけではないようですが、Wikipedia にはこの4つが人格の独立した系であるという記述がありました。

      The persona, anima and animus, the shadow, and the self are four of the archetypes that fall under the separate systems of the personality.[1]

      Jungian archetypes – Wikipedia

      この本からの他のリスト

      参考文献

      [1] Pennington, Donald (2018-04-17). Essential Personality. Routledge. ISBN 978-1-134-66598-3.

    • 記憶の7つのエラー

      まえがき

      『記憶のエラーは、基本的に7つのパターンに分類することができる。』

      リスト

      あとがき

      まえがきを含めて、ダニエル L.シャクター『なぜ、あれが思い出せなくなるのか: 記憶と脳の7つの謎』 (日経BPマーケティング(日本経済新聞出版、2002年)より。リストは本文を編集・引用して作成しました。英語は原著からの引用です。なお文庫版が出ています。

      原著のタイトルは “The Seven Sins of Memory” なので、直訳すれば「記憶の7つの大罪」でしょうが、訳書に従いました。

      7つの罪は大きく2つのカテゴリに分けられます。

      これら七つのエラーのうちの最初の三つ――物忘れ、不注意、妨害は、記憶が抜け落ちること、つまりなにかを思い出そうと努力しても、ある特定の事実、出来事、考えを思い出せない現象のことである。注意散漫なときにしたことが後で思い出せなくなったり、なにかが邪魔をして、思い出したいことがどうしても出てこない状態である。これに対して残りの四つ――混乱、暗示、書き換え、つきまといは、どれも脳の指令が原因で起こる。つまり、記憶が不正確なものに変わってしまったり、忘れたいと思っても忘れることができなくなるケースである。

        #デジャヴ #デジャブ

      • がん細胞に特徴的な6つの性質

        まえがき

        『2000年、科学雑誌《セル》に掲載された画期的な論文には、あらゆるがん細胞が持つとりわけ特徴的な6つの性質が列挙された。』

        リスト

        あとがき

        まえがきを含めて、ビル・ブライソン『人体大全 なぜ生まれ、死ぬその日まで無意識に動き続けられるのか』 (新潮社、2021年)より。本文のリストを引用しました。著者はこのように続けています。

        がんとは結局、自分の体が全力で自分を殺そうとすることなのだ。許可のない自殺。

        出典が書かれていませんでしたが、おそらく参考文献[1]の総説です。参考文献[2]によれば、2011年にはこの総説がアップデートされ、4つの性質が追加されたとのこと。

        この本からの他のリスト

        参考文献

        [1] Hanahan, Douglas, and Robert A. Weinberg. “The hallmarks of cancer.” cell 100.1 (2000): 57-70.

      • 病気が流行する4つの要因

        まえがき

        『病気が流行するかどうかは、4つの要因によって決まる。』

        リスト

        あとがき

        まえがきを含めて、ビル・ブライソン『人体大全 なぜ生まれ、死ぬその日まで無意識に動き続けられるのか』 (新潮社、2021年)より。

        流行のしやすさを表現するならば、第1項目は「致死率の低さ」です。たとえばエボラ出血熱は、感染力も致死率も高いので、住民は病気になる前に逃げ出すうえに『ほとんどの患者は病気を広める以前に、ウイルスの循環から除外される』とのこと。

        原著の出版は2019年10月。このリストを引いた、ウイルスを扱った章にはこんな記述もありました。

        もっとひどいことが頻繁に起こらないのが不思議に思えてくる。(略)種の壁を飛び越えてヒトに感染する可能性がある鳥類と哺乳類のウイルスは、80万種類にものぼると考えられる。潜在的な危険性は、それほど多いのだ。

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      • もの忘れを防ぐPLR法

        まえがき

        『PLRという基本的なテクニックで、もの忘れの2大要因である自動操縦にも情報過多にも対処できる。』

        リスト

        あとがき

        まえがきは参考文献[1]を意訳しました。リストは参考文献[1]と[2]を参考に作文しました。実際の適用例として「眼鏡をどこに置いたかを思い出せない」ことをPLR法でどう防ぐかを考え、カッコ書きで添えてみました。

        まえがきの自動操縦(オートパイロット)というのは、習慣化され無意識的に行っている行動のこと。こういった行動は無意識的に行っているがゆえに思い出すことが困難です。情報過多というのは多くの情報を一度に処理しようとすること。これも想起を阻害します。

        記憶に関する記事がいくつかこの P-L-R technique に言及していますが、原典は特定できていません。

        参考文献

        [1] Forgot Why You Walked Into a Room? Tips for Brain Blips | Psychology Today

        [2] Memory loss: Expert advice for improving memory and concentration – Vox

        #物忘れ

      • 希望の4要素(希望学)

        まえがき

        『希望学では、我々が人生において、そして恐らくは社会においても、希望を持ちつづけるために欠かせない要素を四つあげている。』

        リスト

        あとがき

        まえがきを含めて、ジェーン・グドール、ダグラス・エイブラムス『希望の教室 (THE BOOK OF HOPE)』 (海と月社、2022年)より。本文を編集してリスト化しました。

        この四つを「希望の循環」と称する研究者もいる。それぞれの要素が多くなればなるほど強く影響をおよぼし合い、より希望をかきたてるからだ。

        本書では『「希望学」という比較的新しい分野について調べてみた。』という記述だけで、具体的なリファレンスはありませんでした。Wikipedia日本語版には希望学というエントリがありますが、これは日本固有の取り組みで本書で言及されている希望学ではない模様。

        • タイトル希望の教室 (THE BOOK OF HOPE)
        • 著者: ジェーン・グドール(著)、Jane Goodall(著)、ダグラス・エイブラムス(著)、Douglas Abrams(著)、岩田佳代子(翻訳)
        • 出版社: 海と月社
        • 出版日: 2022-04-28

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      • 世界の未来に希望を抱ける根拠(グドール)

        まえがき

        『今の世界情勢は絶望的に思えるかもしれないが、ジェーンは“論理的に”無理だと言われながらも希望を抱いていた。(略)ジェーンの満ちあふれる希望には根拠もある。その根拠とは、』

        リスト

        あとがき

        まえがきを含めて、ジェーン・グドール、ダグラス・エイブラムス『希望の教室 (THE BOOK OF HOPE)』 (海と月社、2022年)より。本文を編集してリスト化しました。タイトルはこちらで付けました。この4つにそれぞれ一章が割り当てられています。グドールという耳慣れない姓は Goodall なんですね。

        著者のエイブラムス氏はこの4つを挙げたうえで、次章につなげるための魅力的な問いを発しています。

        わたしはこの点について、ジェーンと意見を交わしたくてうずうずしていた。

        • たしかに人間の知力はすばらしいが、それは同時にあらゆる悪を行ないうるものでもある。それをわかっていながら、どうしてジェーンは人間の知力を希望の根拠にあげたのだろう?
        • 自然の回復力は想像がつくが、それは人間がむやみに行なってきた破壊行為にも耐えうるものなのか?
        • さらに、なぜ若者なのか?我々が目下直面している問題は、前の世代が解決できなかったものだし、若者にはまだ世界を仕切っていく力などないはずなのに。
        • 四つめの不屈の精神力も、どういう意味なのだろう? それがどうやって我々を救えるのか?
        (文章を箇条書きにして引用)
        • タイトル希望の教室 (THE BOOK OF HOPE)
        • 著者: ジェーン・グドール(著)、Jane Goodall(著)、ダグラス・エイブラムス(著)、Douglas Abrams(著)、岩田佳代子(翻訳)
        • 出版社: 海と月社
        • 出版日: 2022-04-28

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      • 因果関係の3つの種類

        まえがき

        『まず大事なのは、因果関係にも3つの種類があるので、明確に区別をすることだ。』

        リスト

        あとがき

        まえがきを含めて、ジューディア・パール、ダナ・マッケンジー『因果推論の科学 「なぜ?」の問いにどう答えるか』 (文藝春秋、2022年)より。まえがきもリストも本文からの編集・引用です。

        それぞれの定義は書かれていませんが、必要因果関係については『「あれなければこれなし」と同じ』で、『人間による気候変動がこの熱波の必要原因である確率は90パーセント』という例が挙げられていました。

        十分因果関係を使った例は、『現在の気候変動の程度が、これくらい強力な熱波を少なくとも50年に一度生じさせるのに十分である確率は、80パーセントである』。つまり「あれがあればこれがある」です。

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      • ボーイスカウトの「おきて」

        まえがき

        『「正しいこと」を簡潔なリストにまとめたものがいわゆる「徳目」である。(略)例えばボーイスカウトの「おきて」が典型的であろう。』

        リスト

        あとがき

        まえがきはミシェル・ボーバ『共感力を育む: デジタル時代の子育て』 (ひとなる書房、2021年)の訳者解説「道徳教育についての考察」(佐柳 光代および髙屋 景一)より。リストはボーイスカウト日本連盟発行の団体案内 (PDF) から引用しました。まえがきを引用した解説にもほぼ同じリストがありましたが、第8項目の「もつ」が「持つ」になっていました。

        日本連盟コミッショナーによる2020年の年頭所感によると、もともとは12項目であったものを1988年に5項目を削って1つを足して8つとしたとのこと。オリジナルを探してみると次のようなものでした。

        “A Scout is trustworthy, loyal, helpful, friendly, courteous, kind, obedient, cheerful, thrifty, brave, clean, and reverent.” -スカウトのおきて
        訳「スカウトは、信頼でき、忠実であり、親切であり、友好的であり、礼儀正しく、親切であり、従順であり、陽気であり、倹約的であり、勇敢であり、清潔であり、敬虔である。」

        ボーイスカウトアメリカ連盟」(Wikipedia 日本語版)より。打消し線は引用者による

        年頭所感によれば、削ったのは『「LOYAL・忠節を尽くす」「HELPFUL・人の力になる」「OBEDIENT・従順である」「CLEAN・純潔である」「REVERENT・つつしみ深い」』であるとのこと。加えたのは最後の項目ということですね。

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