まえがき
『Andersonは認知的技能の学習においてACT*モデルを提唱した。これは3段階からなる。Fittsの運動技能学習の3相説と対比すると、両者の類似性が明らかになる。』
リスト
- 宣言的段階: これから行う学習について種々の知識を得る段階。何を学習するのか、それはどのようなもので、どうすれば実行できるのかを、自己の長期記憶の中を検索して解釈する。これは作動記憶に著しい負担をかける。
- 知識の翻訳(コンパイル)と合成段階: 前の段階で得られた知識を解釈なしで直接使える形に翻訳する。個々に考えながら行う必要性が減少し、作動記憶への負担も減る。
- 手続き的段階: 知識の翻訳・合成によって学習が進み、技能が次第に自動化されてからも、その技能は使用されることによって更に正確で効率的なものになる。手続き的段階では知識の調整が行われる。
あとがき
まえがきを含めて、参考文献(1)より。まえがきの「Fittsの運動技能学習の3相説」は「運動学習の3段階」のこと。
「運動学習の3段階」の引用元は1964年の出版物でした。ACT*の基礎をなす理論(ACT-R – Wikipedia)と比較すると、運動学習のモデル化が先にあったようです。
参考文献
(1) 中村隆一. “トレーニングと運動学習 運動学習について.” 理学療法のための運動生理 9.3 (1994): 149-156.